*注意
内臓疾患が原因の可能性があるようでしたら、まず医療機関を受診して下さい。
当治療室の適応範囲は、画像診断、検査数値には異常が出ないが、気になる症状がある。繰り返す症状を予防する、予防医療、未病医療です。
実際の内臓そのものを指すものではありません。
しかし五臓の各々、各経絡の概念と同名の内臓の機能とは、近いものがあります。
長年培われた、伝統経験医学の知恵もからだを捉える参考になると思います。
良くも悪くもからだに与える影響が大きい臓器を五つ取り上げて、ひざ痛を五つのパターンに分けてみました。
ここでお伝えする、内臓の話とは主に臓器周囲の環境、支持組織(腹膜、筋膜など)や循環、自律神経バランスの話です。
注意︔ここでご紹介するタイプ別症状は、あくまでも現れやすい症状の例です。必ずこの症状が現われるとは限りません。複数のタイプの複合型など実際はもっと複雑な場合もあります。
『心をのびやかにさせ、思考力や判断力を豊かにする。栄養物質である血を貯え、全身への供給を調整する。』と古典には書かれています。
肝のエネルギーのバランスが崩れると、イライラと怒りっぽくなったり、落ち着きがなくなったり、手足のしびれ、視力の低下、などの症状が現れやすくなります。
肝臓はお腹の右上から左側にかけて横隔膜のすぐ下に位置する大きな実質臓器です。
腸などの消化管から吸収した栄養は一旦肝臓に運ばれ代謝処理され静脈循環、心臓を経て全身に運ばれます。バランス、コンディションが崩れると、からだの重心が右側に偏り右ひざにストレスが入りやすくなります。
『血を全身に循環させ、精神活動をコントロールしている』と古典には書かれています。心のエネルギーが衰えると循環が滞り、顔色が悪くなる、むくみ、不眠などの症状が表れやすくなり、精神状態不安定になりやすいです。
赤:動脈循環(半身)
青:静脈循環(半身)
心臓は、血液循環の原動力となるポンプとして働いています。
左右の肺の間、横隔膜の上に位置し、やや左側にあります。バランス、コンディションが崩れると前のめりのような姿勢を取りやすくなります。結果膝の前にストレスが入りやすくなります。
『飲食物を消化吸収し、体内の水分循環調整を主る。また、吸収した栄養物質や身体器官そのものを上部に引き上げる働きもある。』と古典には書かれています。脾のエネルギーが衰えるとむくみ、食欲不振、内臓下垂、下痢 下半身が重だるいなどの症状が表れやすくなります。
(図は陰経の脾経の対極、陽経の胃経図です。
(ここでは陰の脾と対極、陽の胃と関連がある臓器の胃について解説します)
胃は消化管の中で最も大きく膨らむ袋状の臓器です。食道は横隔膜を貫いてすぐ胃の入り口噴門へと移行します。その位置は肋骨の下の方左側です。出口幽門は右腰椎の上部です。噴門、幽門の位置はあまり変化ありませんが、下垂などで大きく位置がずれるのは胃体そのものです。消化器バランスが崩れると重心が左右に振れやすくなります。
結果、膝は内側または外側に負担がかかりやすくなり、トラブルの原因になります。
『呼吸を司り、エネルギーを外や上に巡らせる働き、上に上がったエネルギーを下降させ全身に巡らせる働きがある』と古典には書かれています。
肺のエネルギーバランスが崩れると、上半身のむくみ、痰が気管にたまる、汗が出ない(出すぎる)などの症状が出やすく、また皮膚のトラブルが出やすくなるのも特徴です。
肺は、胸腔の左右を占めて、心臓が左に偏在するため左肺は右肺より小さく幅も狭いです。
左右の肺の間には気管、食道、動脈、静脈が通過し、その管状器官の周囲を自律神経がまとっています。
肺の下部は横隔膜と接しています。
肺周囲のトラブルは、胸郭全体の柔軟性がなくなり重心が後ろのほう(踵より)に偏りやすくなります。結果 膝の後ろ側にストレスが入りやすく膝裏の故障の原因になりやすいです。
「先天の精(先天的に受け継いだ生命力)を貯え、成長、生育、生殖を主る。また、呼吸にも深く関わっている」と古典には書かれています。腎のエネルギーが衰えると、むくみや足腰の衰えなど老化現象が現れやすくなります。
腎臓は左右2つあります。位置は胸椎12番から腰椎3あたりの高さにあり腰に手を当てて(親指を背中側に)親指の先があたる肋骨の下縁あたりの位置です。
背中の比較的浅いところに位置し、他の臓器に比べて、支持組織の強度が弱く、そら豆のように脂肪組織の中に包まれています。
バランス、コンディションが崩れた場合、下垂したりして姿勢に左右差がでて捻りを生じやすいです。結果 膝の内側や外側に負担がかかりやすくなりトラブルの原因になります。
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