患者様:30代女性
ご職業:会社員(産休中)
症状:30代女性の方です。
信号待ちで停車中に後続車にぶつけられたそうです。
ご自分はワンボックスカーで後続車はワゴン車です。
後部座席の方と会話中だったそうです。
ぶつけられた衝撃で一旦からだは前にふられましたがそれより反動で座席の背部に押しつけられたショックのほうが強く感じたそうです。
診断:
からだを観察させていただくと、事故当時の姿勢で受けた衝撃の方向に対して力が入ったまま抜けない状態でした。
事故当時の状況を再現して力を入れてもらうと面白いように気持ち良さが出てきてからだがほぐれてきました。
具体的にはハンドルを握った状況や、右足でブレーキを踏んだ姿勢の再現です。
調整していくうちに、仙骨と首の症状に絞り込まれていきました。
仰向けで(他の姿勢は難しい)仙骨に手を差し入れて方向性を探っていってある程度改善しましたが結局最後まで残ったのが首の症状でした。
ワンボックスは車体が高いですから下から突き上げるような力が働いていたので方向を見極めながらみていったのですが、深部の姿勢を維持するような筋肉、軟部組織の調整ですからすこし時間をかけた触圧刺激(皮膚を軽く圧定した刺激) を使いました。
治療室に最初入ってこられたときは随分顔色も悪くお辛い感じでしたが治療を終えたときにはほんのり頬に赤みも差して表情も明るくなってホッとしました。
アドバイス:
ご自分で出来る調整としては先に書いたように事故当時の状況を座布団やクッションなどを使って出来るだけ再現した姿勢で行うと効果が出やすいでしょう。
ブレーキを踏んだ時の足首からの動き(爪先の上げ下ろし、又は踵の踏み込み)をたたき台にして、気になる部分に無理なく刺激が入るように工夫してみてください。
操体法の基本操法の膝倒しなども効果的でしょう。
ひとりでできる操体法 基本型その1膝倒し
あと気になるのがご本人も心配していましたが、同乗していたお子さんのことです。
まだ生後8ヶ月とのことでチャイルドシートに乗っていて今のところ異常な様子は幸い見受けられないとのことでしたが、様子は観察し続けたほうが良いでしょう。
子どもさんはからだも柔らかく、回復力もあるのですが症状の特定が難しいのです。
お母さんの観察力で様子を診てあげてください。
ポイントは背中や腰の動きや姿勢でしょう、不自然な感じがしたらそこに手を当ててあげたりしてください。
あとあはお臍の高さの脇腹を軽くくすぐって自然な動きを促す方法そして、仰向けで手や足を軽く持ち上げて揺する金魚体操も良いですよ。