操体法の前に 知っておきたいからだの仕組み
当たり前だけど、妊婦さんのからだのバランスはいつもと違う
ここで着目したいのは横隔膜
横隔膜が胎児の入っている子宮に内臓と共に押し上げられて、筋肉バランスや循環環境が変化します。
これらが腰痛の原因になる可能性はあります。
横隔膜と椎骨や肋骨が作る隙間を貫く筋肉に注目してみました。
からだを前側から見た図
L1>腰椎1番
赤いラインと黄色いラインが靭帯。その下に出来たのが隙間。
注目したのは、大腰筋 腰方形筋という背中側、内臓の後ろと外側を覆っている大きな筋肉です。
・大腰筋 腰方形筋が横隔膜を貫くレベル
・大腰筋 腰方形筋を支配する神経
・実際腰痛になりやすいレベル
・セルフケアとして自分で触れやすい場所
など総合的に判断して、調整ポイントを胸椎10番(T10)から腰椎1番(L1)に絞りました。
色◎>椎骨番号
今回はからだを軽く触れて静かな呼吸を長めに行うという操体法をご紹介します。
皮膚には椎骨と椎骨の間から出てくる神経 脊髄神経が枝を伸ばしています。
皮膚で感じた刺激、触覚や痛み温度感覚などいろいろな感覚は、脊髄神経をさかのぼって
中枢の脳で知覚されます。
青字>椎骨番号 色◎>脊髄神経番号
その神経が司る、皮膚の領域は各脊髄神経の出てくる椎骨間レベルで大体決まっています。
これをデルマトームといいます。
からだをボーダー柄に区切って色分けしたような図をどこかで見たことがあるヒトも多いと思います。
先に腰痛の調整ポイントを胸椎10番(T10)から腰椎1番(L1)に絞りましたが、デルマトームで見たらどのあたりの皮膚領域をそこから出ている脊髄神経が支配しているか確認してみましょう。
左の番号>脊髄神経 右の番号>椎骨番号
*椎骨のレベルと皮膚領域に大きなずれが生じているのがわかりますね。
おへそのレベルが胸椎神経10番(T10)と覚えておくといいですよ。
画像 デルマトーム
脊髄神経は背中側だけでなくお腹側にも枝を出しているのですね。
特に、お腹側は妊娠中大きく引き伸ばされて普段より変化が大変大きい部分です。
各脊髄神経には大腰筋などの筋肉からの情報も入ってきます。
お腹を触った刺激も大腰筋からの情報も皆、合流して中枢で情報処理されるのです。
そして同じルートを逆に戻って、皮膚の血流を調整したり、筋肉の緊張を調整する指令が
中枢から末梢へと伝わるのです。
ということは、お腹を触っても腰の緊張は緩む可能性があるということです。
では、実際にやってみましょう!
背もたれに寄りかかって、、、(家のありものの画像ですいません!)
①腰の辛いあたりを背もたれに寄りかかりようにして固定
デルマトームを参考にして腰の辛いレベル対応するお腹にポイントに触れる。
②背もたれと手のひらでお腹をサンドイッチしている状態で、痛みが軽くなる
座り方やポジションを探す。
③触れ方の強さや皮膚の遊びの方向などいろいろ微調整してより気持ち良いポイントを探してみる。
④呼吸をつかってコントロール ここで横隔膜の動きを活用しましょう!
そこで、静かな少し深めの呼吸をして様子をみてみる。
*ポイント>少なくとも1分以上持続して行います。ゆっくりじっくりやることで効果の出る操法です。
是非ためしてみてくださいね!
*妊婦さんシリーズ*
こちらも参考にしてくださいね
【わたしがお手伝いします】
川名操体治療室代表 川名慶子
東京医療専門学校卒業、鍼師、灸師、あん摩マッサージ師免許取得
身体均整法学園卒業
操体法については、故渡辺栄三先生、三浦寛先生他、複数の先生に師事。
東京秋葉原の操体法専門施術所、津田温古堂(当時渡辺栄三先生が主催)に10年間勤務
臨床治療の経験を積み独立。
東京渋谷区千駄ヶ谷で操体法メインの治療室を開業して17年。
*観察 お見立て*
ご自分のからだとしっかり向き合いたい、回復 改善の道筋を組み立てていきます。
*調整*
お辛いところだけに注目するのではなく全体のバランスを見据えて調整することも、早く回復するため、
再発しないためには大切なことです。
*セルフケアアドバイス*
ブログを読んだだけでは、実際にやってると分かりにくいところもあると思います。
ご自分に合ったオーダーメイドの方法をお伝えします。
*筋トレ パワーアップアドバイス*
バランスがとれてもよい状態を持続させるにはパワーが必要です。
基本的体力 筋力も大切です。
食べたものがちゃんと身になるための食事指導
ホルモン分泌に影響のある 睡眠指導
そして毎日のルーティンとして実行可能な筋トレメニューを紹介します。
気になった方は、是非一度お越し下さい!