先日、馬のマッサージ講習会に参加してきました。
どうして馬なの?
どうしてマッサージなの?
と聞かれそうですが、
趣味で乗馬やスポーツ流鏑馬をやっているので、馬ともっと仲良しになりたい、からだの勉強をして馬に喜んでもらえることをしたいと思ったのがきっかけです。
でも、それだけでなく、自分はからだを調整する仕事をしているので、ヒトのからだのことをもっと知るのにも馬のマッサージは
役立つだろとも思ったからです。
マッサージを体験する前提として、馬という動物の特性、からだの仕組み、基本的な解剖の知識はやはり大切です。
馬はからだは大きいですが、草食動物なので基本臆病 怖がりでとてもおとなしい動物です。
そして、音や匂いに敏感で皮膚の感覚も繊細です。
ハエが一匹お腹に止まってもすぐわかります。
四肢には蹄(ひづめ)がありヒトの骨格との相同関係は面白いです。
(右前脚)
哺乳類としての基本設計は同じなのですが、蹄(ひづめ)に当たるところはヒトでは、第3指です。
中指一本で立っている感じで、前脚の場合、膝のように見えるのは、手根骨(手首のあたり)。
肘は、ほぼ胴体の脇に埋まって見えます。
肩甲骨は細長く、なんと鎖骨は退化してありません。
肩甲骨標本と実際の位置(肩甲棘が浮き上がって見えます)
人が騎乗するとき鞍の位置は、馬の背中、肩甲骨の間の高まりの少し後ろになります。
しかし、そこには、前足と背骨をつなげる骨はなく強靭な靭帯や筋肉だけで支えられているのです!
そんな強靭な靭帯、筋膜、筋肉をもってはいますが、バランスが崩れれば当然痛みがでたり故障したりします。
そのための、調整やケアにもマッサージは有効なのですね。
(右前脚)
第二中手骨(内側副管骨)左の細い骨ーヒトの人差し指の付け根の骨にあたる
第三中手骨(管骨)中央の太い骨ーヒトの中指の付け根の骨にあたる
第四中手骨(副管骨)右の細い骨ーヒトの薬指の付け根の骨にあたる
鎖骨は退化して無くなっているのに、第二中手骨と第四中手骨は第三中手骨の脇に
その名残がちゃんと残っているのですね。(面白い!)
教わった、注意事項やポイントは、
・大きい動物なので急に何かに驚いて動いたときに自分が踏まれたり蹴られたりしてけがをしないように、
常に危険回避できる立ち位置、距離間を保つ。
・マッサージしていないほうの手も馬体に触れて動きや様子を常にモニターしておく。
・触れる手のひらは柔らかく密着、からだを使って行う。 この辺りは、ヒトの場合と同じですね。
圧の強さ、加減を知るために、鶏のムネ肉を先生が用意してくださいました。
手の上にビニール袋にいれた肉を置き上から押してレベルを変えた圧がどのように感じるかを体験しました。
また、筋肉と筋肉の重なっている部位、隙間に手を差し込むときのイメージの持っていき方や力の伝え方、マッサージのゆったりしたリズムの作り方などなど
仕事にも参考になる体験満載の講習会でした!
(ワンちゃんもリラックス~)
忍耐強く、練習にからだを貸してくれた馬たちと会場を提供してくださったコルザホースクラブの方々に感謝いたします!
そして、豊かな経験、貴重な情報を丁寧に伝えてくださった藤本先生、ありがとうございました!