新企画 操体法オンラインセミナー(zoom使用) 7/26(日)開催しました。
新型コロナウイルス感染症拡大の状況に対応して治療室での講習会はしばらく
お休みしておりましたが、オンラインでセミナーを再開しました。
制約の多いこの環境の中で
遠隔指導で運動器を使った調整がどのくらい実践、評価できるのか
このアプリは、本来対面で画像を撮って姿勢分析するものですが、
zoom使用のパソコンの画面からの映像でもなんとか機能します。
正確性については疑問ですが、足首からの緑色の垂直線など指標を使うと
細かい変化もそれなりに観察、評価できます。
計測数値をどのように評価するのかは、まだ手探りですが行った動きに対する
客観的な評価、検証にすこしでも役立てたいと思っています。
全体テーマ<操体法の原理を探る。>
今回のテーマ<自動運動による調整の可能性を探る、セルフケア指導のスキルを上げる。>
・姿勢分析アプリPostureScreenを用いて 調整前後の姿勢評価(立位 前後左右)をより正確に行う。
・動きの観察、調整に東洋医学的アプローチを取り入れてみる。
実技>動作の中から胸鎖乳突筋と前脛骨筋の相関関係をさぐる。
実技テーマ<首周りのコンディションが前腕への刺激でどのように変化するか観察してみる>
<Aさんの場合>
症状 左耳 えい風(三焦経)乳様突起下端前方陥凹部(耳下腺 顔面神経(運動神経))あたりに圧痛、腫れた感じがある
姿勢チェック
・正座位>左座骨重心 左足を下に足を重ねる。
・前腕の筋肉緊張は利き腕の右側の方がある。>右手三里に圧痛がある。
調整方法
①仰臥位 操体法 膝倒しのバリエーション(腰椎5番、大腰筋、腰方形筋の調整目的)>全体調整で下地を作る。
②右前腕のセルフケアを行う
方法、
・固定ポイント>右手で厚めのタオルを握る(合谷や魚際に力が入る)
・操作、動作ポイント>左手で右手三里のあたりの圧痛点をツボ押しのように
押圧しながら、痛みの感覚が変化、軽減するような動きをしてみる。
(あくまでも小さい動きで大丈夫)
評価
後方ビュー
・各レベルの左右の振れが調整前より相対的に左への振れが多くなった
(T1~T12の変化が顕著)
・首~肩レベルでの回旋が右から左へ逆転した。(頭部の回旋は0°)
<調整前>
<調整後>
右側面ビュー
・画像で確認すると、緑の縦ライン(足 外果を通る垂直線)に対する胸椎1番 肩先のポイントの位置バランスが調整前は胸椎1番(後ろ側)寄りだったのが、調整後はこの2点の中間くらいになった。>首、頭部位置バランスが姿勢維持の負担がかかりにくいポジションになった。
・自覚的にも、左えい風の違和感が軽減し正座位のバランスも左右差が減った。
<調整前>
<調整後>
考察
首のバランスは単に運動器の影響だけでなく自律神経系の影響が強く出やすい部位です。
左えい風の違和感も、この季節、天候(長雨、湿度、低気圧)の影響もあると思います。
右手への操作は、固定ポイント 操作、動作ポイントという二つのポイントを指定して
ツボ刺激のバリエーションとして操体法的に動きの調整として運用してみました。
前腕の筋緊張を緩和することをきっかけに循環系の緊張がゆるむ>交感神経系のレベルを下げる>頸部の緊張がゆるむ>症状の違和感が軽減した。
こんなストーリーが働いたのではないかと推測できます。
姿勢分析アプリを使うと小さい変化も視覚化できるので、行った調整の客観的な評価がしやすくなると思います。
オンライン、遠隔指導、誘導で行った、簡単で優しい刺激の操体法でしたが、思いのほかからだが変化したのは驚きでした。
今後のセミナーの予定 全体テーマ【操体法の原理を探る】
基本操法に対して橋本敬三が込めたメッセージとは
・姿勢分析アプリPostureScreenを用いて 調整前後の姿勢評価
(立位 前後左右)をより正確に行う。
・実技>動作の中から胸鎖乳突筋と前脛骨筋の相関関係をさぐる。